3.海運業の事業の特徴と経営課題
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(1)世界経済の動向など外的要因に大きな影響を受けること
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①市場が世界規模であり、世界の貨物運輸需給動向から大きな影響を受けること
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外航海運におけるビジネスモデル上の、大きな要素として、「ワールドワイドにおける競争市場の形成に伴う収益・費用に対する外的要因の大きな作用」という点が考えられます。例えば不定期船における価格変動の影響につき上述のBDIの推移を見ると、もっとも値動きの激しいBCI T/C Avg.(ケープサイズ船舶の定期傭船平均価格)では、北京オリンピックの前後で、2008年2月に$80,000程度であったものが、4カ月後の2008年6月には3倍程度上昇し、また、その3カ月後の2008年9月には$80,000の水準に戻るといった動きを見せています。
このように、世界におけるモノの動き(資源と生産物の需要の増減)に価格と量の両面でダイレクトに影響を受けるのが海運業における収益・費用の特徴的なところです。
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②為替レートの影響を受けること
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外航海運業での主要な取引通貨が米ドルであるため、一般に外航海運会社の収入については米ドルの割合が非常に高く(近年ではユーロ取引も増大しています)、費用は円の割合が高いといった環境にあります。そのため、為替レートの変動については、各社為替予約などのデリバティブ等によってヘッジを図っているものの、円高の局面になると各社は大きく利益を減少させることになります。
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③原油価格、人件費の影響を受けること
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昨今の原油価格の歴史的上昇が各社の燃料費を著しく増加させています。また、外国人船員についてはマンニング業者という船員配乗会社からの派遣を受ける形態をとるため、貨物輸送需要が高まる局面では船員費の増加といった要素もあります。
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(2)船舶は高価な資産であり、設備産業であること
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船舶は1隻でも高価な資産ですが、顧客の要求を満たすためには一定以上の規模の船隊を確保する必要があります。上述のように新造船価は数十億から200億円程度と、設備投資額は多額になります。そのため船舶を安全に運航し、投資を確実に回収することが求められます。他方で設備資金の調達についても多額・長期に行われることから金利変動や為替変動の影響を十分に考慮することになります。
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(3)海運業における経営課題と対応
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このように、差別化が困難で市況の影響を大きく受ける業種であるとともに、反面、製造業的な装置産業の側面も併せ持つ海運業においては、
①費用(特に固定費)を最小化すること(不況期)
②需要に迅速に対応できる体制をとること(好況期)
という、相反する経営目標に対応することになります。
船舶を自社グループで保有することで需要の増加に迅速に対応できますが、他方で不況時には過剰設備となるリスクがあります。これに対し傭船により調達する場合には、需要増加時に傭船料が高騰するリスクがある一方で、景気後退時には傭船契約を解約することで対応ができます。海運会社では自社保有と傭船を組み合わせることや長期・短期の傭船契約を組み合わせることで対応することになります。
また、輸送する貨物の種類(すなわち提供する船種)の組み合わせや、海運業以外の事業との組み合わせによって景気変動に対応していくことも見受けられます。
【世界経済市況・業務の流れとBS・PLへの影響(イメージ)】

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