1.収入の形態
鉄道事業者は、鉄道や車両、構築物等の固定資産に設備投資し、これを利用して運輸サービスを提供することにより旅客運輸収入を獲得します。旅客運輸収入には、切符や回数券の発売による収入、定期券の発売による収入、最近ではICカード乗車券の利用による収入などの収入形態(収益獲得形態)が含まれます。これら収入形態については、それぞれに異なる会計処理、財務報告に係るリスク、それにかかわる統制活動があります。
今回は、
定期運賃および定期外運賃の収益認識と内部統制
ICカード乗車券の収益認識と内部統制
鉄道事業者の営業収益の表示
について解説します。
2.定期運賃および定期外運賃の収益認識と内部統制
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(1)定期運賃の収益認識
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定期運賃とは、定期券発売による運賃収入のことをいいます。定期券は、駅窓口や自動券売機などで発売されており、1カ月、3カ月、6カ月定期券といったものが一般的です。
通常、1カ月定期券の発売額はその発売月の収益として認識されますが、3カ月定期および6カ月定期は、発売時に全額を収益とせずに、期間按分した額だけ収益とし、残りは前受運賃として計上します。
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①3カ月定期券発売時
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②期間按分時
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(2)定期外運賃の収益認識
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次に、定期外運賃とは、通常の切符や回数券などによる運賃収入のことをいいます(ICカード乗車券による収入については後述します)。
切符や回数券は短期的にすべて実現されると考えられるため、その発売時点において収益を認識します。なお、新幹線や特急電車乗車券の指定日による予約購入がある場合は、実際の運行日に収益を認識します。
(切符および回数券の発売時)
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(3)定期券および切符・回数券の発売業務における財務報告リスクと統制活動
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一般的な定期券発売業務および切符・回数券の発売業務を図示すれば、次のようになります。
図1:定期券・乗車券の収益認識の流れの例

このような業務活動の流れの中で、入力された発売記録情報が変換または転送され計算・集計されることにより、最終的な収益の財務報告数値が作成されます。通常、情報が変換または転送される時点で誤りが発生する可能性が高くなると考えられ、誤りが発生した場合には、最終的に損益計算書の収益計上金額に影響を及ぼすことになり、ここに財務報告に係るリスクが生じることとなります。次にいくつかの具体例を挙げます。
図2:定期券乗車券の発売業務における財務リスクと統制活動
| 情報またはデータの変換時点(例) | 財務報告に係るリスク(例) | 統制活動(例) | |
図1a. |
駅窓口による発売から鉄道収入システムへの入力 |
駅窓口による発売記録の誤入力、入力漏れ、二重入力など |
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図1b. |
自動券売機による発売から鉄道収入システムへの転送 |
誤情報の転送、転送漏れ、二重転送など |
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図1c. |
鉄道収入システムで発売額データを自動計算し、鉄道収益情報へデータ変換 |
誤計算、誤集計など |
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図1d. |
鉄道収入システムから会計システムへの転送 |
誤情報の転送、転送漏れ、二重転送など |
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第2回:不動産分譲業の事業と会計の特徴 (2010.02.01)




