業種別会計の基礎


食品・飲料メーカー
第4回:販売取引・購買取引・棚卸資産 (2009.10.07)

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2.購買取引と売上原価の会計処理

(1)購買取引の特徴

大量生産・販売を行う食品・飲料メーカーにおいては、原材料等の調達に際して、大量発注によるコストダウンと高品質品の安定的調達が重要な課題となります。

組織構造

販売-生産-発注に密接な連携を持たすことで、適正在庫量を確保し、販売機会の逸失、過剰在庫による不良在庫の発生等を防止するような組織構造が採用されることが一般的です。

【図3 組織構造の例】

組織構造の例

購買方法

A)集中購買方式の採用

この方式は、各工場で共通して使用する原材料を本社で一括して購入する、また関係会社間で共通する原材料を親会社で一括して購入することにより、購入先から有利な条件を引き出すことを目的として行われます。

B)大量発注・分割納入方式の採用

この方式は発注先の製造能力、品質等を勘案し、1~2社に発注先をしぼり、納入先とのパイプを太くするなど、取引関係を密接にし、価格、納期、サービス面で有利な扱いを受けるために大量に発注しますが、納品は保管能力、資金の問題などから分散して行う方式です。

C)購買先の系列化

この方式は、購買のための子会社、関連会社の設立、あるいは購買先に対する資本参加、役員の派遣、資金援助などにより行われます。

特殊な仕入方式

A)使用高検収

この方式は、あらかじめ購買先から原材料等について積送を受け、預かっておき、現場での使用の都度、使用高について検収と見なして仕入計上を行う方式です。使用高検収による仕入計上に際しては、以下の点に注意が払われます。

  • 未使用物品の管理(在庫リスト、保管場所等)

  • 実地棚卸の取り扱い

B)預け品

この方式は、原材料等を預け先に預けたまま仕入計上を行う方式です。預け在庫の仕入計上に際しては、以下の点に注意が払われます。

  • 預け品仕入を行うことの経済合理性

  • 証憑書類(注文書、売買契約書、預かり証等)の完備

  • 現物管理状況(在庫証明、棚卸立会による現品保管状況の把握等)

C)外注加工

この方式は、外注先に対して、原材料等を支給し、加工を行わせたものを仕入れる方式ですが、支給を有償で行うか、無償で行うかにより、注意が払われるポイントが異なります。

D)代価未確定仕入

代価未確定仕入とは、納品・検収段階で価格が未確定の仕入れのことをいいます。この方式は、新原材料等の採用時や、仕入価格の改定時に行われることが多いと思われます。代価が未確定の場合には、見積もりによる暫定価格を用いて仕入計上する方法が実務上多く見られます。暫定価格による仕入計上に際しては、以下の項目に注意が必要です。

  • 暫定価格の合理性(類似品の価格、期末の市場価格等を検討)

  • 購入代価確定時の差額の配賦処理(売上原価、棚卸資産)

(2)購買取引の流れと会計処理

購入された原材料等は、工場で受入がなされます。受入の際には、発注書控、納品書等と原材料等の現物を照合し、受入日付を明らかにした検収報告書を作成されることが一般的です。これにより、誤納品や数量過不足を防止し、生産スケジュール等に支障が生じないようにしています。同時に、検収漏れによる債務計上漏れ等を防止する効果もあります。一般的には図4に示すような形で表せます。

【図4 購買プロセスの例】

購買プロセスの例

発注

通常であれば、発注が行われた原材料等については、すべて引き取りが行われて、検収-仕入計上が行われますが,、製品仕様の変更などにより、発注を行ったすべての原材料等が検収されない場合があります。この場合、発注在庫の引取責任を会社が負っている場合が多く、会計上も手当てが必要になります。

仕入計上

食品・飲料メーカーにおいては、実務上、仕入計上基準は検収基準の採用が一般的であると考えられます。図4でいえば、納品・検収段階において、購買システム上、購買データが生成されます。購買システムから会計システムへの反映は、日次で行われるケースや、月次で一括で行われるなど、会社によってさまざまです。

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