業務プロセスに係る内部統制の入門:第2回(2009.08.24)
第2回は、販売プロセスにおける内部統制を取り上げます。販売プロセスは、大きく分けてI取引先からの受注、II商品の出荷、III会計帳簿への売上仕訳起票という三つのステップからなりますが、第2回は、2番目の商品出荷と3番目の売上仕訳起票のステップを取り上げます。
~商品出荷の流れはどうなっているか?~
会計花子: |
イチローさん、販売プロセスの2番目のステップである商品出荷は、どのような流れになっているか教えてもらえますか? |
統制イチロー: |
はい。商品出荷は、物流管理部門が倉庫で行います。①事務担当が、販売システムから、その日に出荷する商品について、出荷伝票一式(出荷指示書・納品書・納品受領書・出荷伝票が複写式の4枚つづりになっているもの)を打ち出し、出荷担当に渡します。出荷担当は、②出荷指示書に基づいて商品を倉庫から運び出した後、③商品に納品書と納品受領書を添付し、運送業者に引き渡します。 |
イチロー: |
④発送が終わると、出荷担当は出荷伝票に出荷済印を押印し、出荷伝票を出荷入力担当に渡します。⑤出荷入力担当はシステムから該当する出荷予定情報を呼び出し、出荷済みと入力すると、出荷情報になります。 |
花子: |
商品が欠品していて、出荷指示書上、2個出荷と記載してあっても1個しかない場合などは、どうするのですか? |
イチロー: |
商品欠品の場合は、事務担当から営業部門に連絡します。営業部門で、得意先に確認を取った後、販売システムの受注情報の納品日・商品発送日等を変更します。例えば、2個受注で1個しか商品がない場合は、残りの1個の納品日・商品発送日を延期します。事務担当は、新たな出荷指示書を打ち出して、出荷担当に渡します。 |
~出荷伝票一式はどのように作成されているか~
花子: |
出荷伝票一式はどのように作成されているのですか? |
イチロー: |
①販売システムが、自動で受注情報を商品発送日順に並び替えて1日ごとの出荷予定を作成してくれます。②事務担当がボタンを押せば、その日の出荷伝票一式が出てきます。 |
~出荷誤りの原因は?~
そこに1本の電話がかかってきた。電話に出たイチローは青ざめ、会議室に花子を残して電話をたくさんかけ始めた。1時間ほどして、イチローが戻ってきた。
花子: |
大丈夫ですか?何かあったのですか? |
イチロー: |
いや~、大変でしたよ。取引先から「注文したのと異なる商品が届いた」とお怒りの電話がきたそうなのですが、社長さんが僕のゴルフ仲間ということもあって、対応を頼まれていたのです。 |
花子: |
原因は何だったのですか? |
イチロー: |
出荷誤りです。出荷担当が最近入った新人で、慣れていなくて似た商品を出荷してしまったようです。 |
花子: |
なるほどね。大変でしたね。 |
~出荷誤りを防止する方法 (その1)~
イチロー: |
内部統制プロジェクト担当者として、出荷誤りを防止するために何かアドバイスをしたいのですが、何かいい方法ってありませんか? |
花子: |
そうですね。出荷担当の仕事を、倉庫から商品を運んでくるピッキング業務と、運送業者に商品を引き渡す出荷窓口業務とに分けて、それぞれ別の担当者が行うようにすればいいのではないですか?ピッキング担当が運んできた商品について、出荷窓口担当が出荷指示書の内容と再チェックすれば、誤った商品を出荷してしまうリスクは低くなりますよね? |
イチロー: |
受注ステップのときに教えていただいた職務分掌ですね!確かに、そうした方が、出荷誤りを防止できるし、業務を効率化できますね。 |
~出荷誤りを防止する方法 (その2)~
イチロー: |
でも最近、同じような商品が多くて、人が目で見ただけでは間違いやすいそうです。ほかにも出荷誤りを防止できるいい方法ってありませんか? |
花子: |
それなら、商品をバーコード管理したらどうですか?商品についているバーコードを、出荷指示書にも印字するようにします。そして出荷の際に、機械で出荷指示書のバーコードと商品のバーコードを読み取って、商品が同じことを確かめればよいのではないですか? |
イチロー: |
なるほど!!商品をバーコード管理すると、商品を間違う可能性は、断然、少なくなりますね。 |
~なぜ出荷情報と納品受領書の照合をした方がよいか?~
花子: |
ところでイチローさん、商品出荷の流れ③で「商品に納品書と納品受領書を添付して運送業者に引き渡す」と教えてくださいましたが、得意先は商品を受け取った後、納品受領書に押印して、送り返してくれますよね?得意先が送り返してくれた納品受領書と出荷情報の照合を行っていますか? |
イチロー: |
いえ、特に行っていないと思いますよ。 |
花子: |
出荷情報と納品受領書の照合を行うようにした方がよいですよ。そうすることにより受注内容どおりの商品・数量が取引先に届いたか確実に把握でき、安心して取引先に請求できます。間違えて誤った住所に出荷した場合や、取引先以外に商品を横流ししている場合なども、見つけられるかもしれませんよ。 |
イチロー: |
確かにそうですね。気付きませんでした。 |
花子: |
出荷からかなり時間がたっているのに回収されていない受領書については、内容を調査した方がよいですよ。 |
イチロー: |
分かりました。納品受領書と出荷伝票の照合を行うよう、指導します。 |
- 会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準
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