解説シリーズ 内部統制


内部統制の実務Q&A
第5回:「ITに係る業務処理統制」および「ITに係る全般統制」 (2008.08.21)

新日本有限責任監査法人 公認会計士 佐藤秀明
新日本有限責任監査法人 公認会計士 辰野 健
Q6. ITに係る全般統制の評価範囲および評価単位の決定について
Answer

評価範囲および評価単位の決定は一般的に、次のように行います。なお、決定の過程は適切に文書化しておくことが必要です。

1. 評価対象とすべきシステムの絞り込み
 

ITに係る全般統制の評価対象とすべきシステムは財務報告に係る内部統制に関連するものに限定されるため、まずは評価対象とした業務プロセスとシステムの関係を把握し、評価対象とすべきシステムを絞り込む必要があります。

なお、評価対象とした業務プロセスにおいて、ITに係る業務処理統制を適切に識別した結果、ITに係る業務処理統制に依拠していない場合、そのシステムを評価対象とする必要はありません。

2. IT基盤の概要の把握
 

各業務プロセスとシステムの関係に加え、 それを支援するIT基盤の概要を把握する必要があります。例えば、次のような項目について把握します。

 
ITに関する組織の構成
ITに関する規程、手順書など
ハードウエアの構成
基本ソフトウエアの構成
外部委託の状況
ネットワークの構成
3. ITに係る全般統制の評価単位の決定
 

ITに係る全般統制は、システムごとに個別に評価することは効率的でないため、IT基盤の概要をもとに実態に合わせて評価単位を決定し、評価します。例えば、次のような場合には評価単位を分けるかどうかを慎重に検討することが必要です。

 
システムによって開発手順や変更管理手順が異なる場合
システムによって運用業務の担当部署が異なる場合
システム機器の設置場所が自社と外部データセンターに分離されている場合
セキュリティーに係る方針・手続きが部門などにより異なる場合