解説シリーズ 内部統制


内部統制の実務Q&A
第1回:「内部統制の評価・報告の概要」および「評価範囲の決定」 (2008.03.07)

新日本監査法人 公認会計士 佐藤秀明
新日本監査法人 公認会計士 辰野 健
Q3.財務報告の範囲について教えてください。
Answer

内部統制報告制度において評価・報告の対象となる「財務報告」とは、財務諸表および財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等に係る外部報告をいいます。具体的には<表1>のものをいいますが、必ずしも財務報告のすべてが評価対象とならないことに留意が必要です(具体的には<表1>の留意点をご参照ください)。

■表1 財務報告の範囲
財務報告の範囲 定義/例示 留意点
財務諸表
連結財務諸表
個別財務諸表
 
財務諸表の表示等を用いた記載
財務諸表に記載された金額・数値・注記を要約・抜粋・分解・利用して記載すべき開示事項
 
企業の概況:主要な経営指標等の推移
事業の状況:業績等の概況、生産、受注及び販売の状況、研究開発活動、財政状態及び経営成績の分析
設備の状況
提出会社の状況:株式等の状況、自己株式の取得等の状況、配当政策、コーポレート・ガバナンスの状況
経理の状況:主な資産及び負債の内容、その他
保証会社情報:保証の対象となっている社債
指数等の情報
財務諸表に記載された内容が適切に要約・抜粋・分解・利用されるような体制が整備・運用されているかどうかのチェックに限定
財務諸表上の数字等の転記、開示内容の検証に関する統制(開示統制)の整備・運用状況の有効性を評価
財務諸表作成における判断に密接に関わる事項
関係会社の判定、連結範囲の決定、持分法適用の要否、関連当事者の判定等
 
企業の概況:事業の内容、関係会社の状況
提出会社の状況:大株主の状況における関係会社・関連当事者・大株主等の記載事項
あくまで財務諸表作成における重要な判断に及ぼす影響の大きさを勘案
関係会社の判断に重要な影響を及ぼすようなことがある場合のみ評価