金融商品の時価等の開示:実務上のポイント 第2回(2009.12.08)
(1)金融商品のリスクに関する注記
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定性的情報においては、次の事項を記載することが求められています。従来デリバティブについて記載されていた定性的情報が、金融商品全般に拡大されています。
①金融商品に対する取組方針
②金融商品の内容およびそのリスク
③金融商品に係るリスク管理体制
④金融商品の時価等に関する事項について補足説明
(2)財務制限条項と金融商品に係るリスクの開示との関係
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適用指針第3項(2)では、定性的情報として、「金融商品の内容及びそのリスク」を記載するとされており、そのリスクには「資金調達に係る流動性リスク」(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)が含まれるとされています。
借入金や社債に財務制限条項が付されており、資金調達に係る流動性リスクに影響を及ぼす可能性がある場合には、「金融商品に係るリスク」に、財務制限条項に関して記載する必要があると考えられます。
(1)開示の概要
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定量的情報として、次の事項の記載が求められます。
①金融商品について、時価、貸借対照表計上額、時価の算定方法等
②有価証券について、保有目的区分ごとの時価、評価差額等
③デリバティブ取引について、種類ごとの契約額、時価等
④金銭債権・満期のある有価証券につき償還予定額を一定の期間に区分した金額
⑤社債等の有利子負債につき返済予定額を一定の期間に区分した金額
⑥リスクフリーレート等で割り引いた金銭債務の金額(任意開示)
(2)時価算定のための評価技法等
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時価とは公正な評価額をいい、市場において形成されている取引価格、気配または指標その他の相場(市場価格)に基づく価額をいいます。また、市場価格がない場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とします(改正会計基準第6項)。「合理的に算定された価額」の算定方法として、次の三つの方法が挙げられています(金融商品会計に関する実務指針(以下、金融商品実務指針)第54項)。
①取引所等から公表されている類似の金融資産の市場価格に、利子率、満期日、信用リスクおよびその他の変動要因を調整する方法
②対象金融資産から発生する将来キャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定する方法
③一般に広く普及している理論値モデルまたはプライシング・モデル(例えば、ブラック・ショールズ・モデル、二項モデル等のオプション価格モデル)を使用する方法
(3)割引現在価値の設例
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貸付金や借入金等の金銭債権・債務の時価は、(2)②の割引現在価値法により算定されることが考えられます。この場合には、次のような方法で計算します。
【前提条件】
X1年4月1日に1,000を年利2%で貸し付けた。
利息は毎年3月末、元本は10年後に一括返済される。
当期末(X5年3月31日)における割引率は、すべての期間において5%とする。
【割引現在価値の計算】
| キャッシュ・フロー | 計算 | 割引現在価値 | |
|---|---|---|---|
X6年3月末 |
20 |
20÷(1+0.05)= |
19.0 |
X7年3月末 |
20 |
20÷(1+0.05)2= |
18.1 |
X8年3月末 |
20 |
20÷(1+0.05)3= |
17.3 |
X9年3月末 |
20 |
20÷(1+0.05)4= |
16.5 |
X10年3月末 |
1,020 |
1,020÷(1+0.05)5= |
799.2 |
合計 |
870.1 |
(4)時価算定の判定ステップ
-
時価算定に至るまでには、次のステップを踏んで、時価算定の対象範囲を判断すると考えられます。まず、適切に対象範囲を判断し、さらに適切に時価を算定することが必要です。
金融商品会計基準の適用範囲か
↓Yes
重要性があるか
↓Yes
時価を把握することが著しく困難か
↓No
短期間で決済されるか
↓No
時価の算定
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