解説シリーズ


連結財務諸表の会計基準の変更点
第5回:適用時期と注意点 (2009.12.01)

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3.設例3 部分時価評価法により評価していた評価差額の処理について

従前、部分時価評価法を採用していた会社が、連結基準適用初年度において、全面時価評価法へ移行する場合につき設例を用いて説明します。

事実関係

(ア)P社がA社の株式を段階的に取得

(取得状況)

取得日 持分比率(%) 株式数(株) 取得原価
(円)
取得時点の時価(円/株)
×1年3月31日 15% 1,500 9,750,000 6,500
×2年3月31日 45% 4,500 36,000,000 8,000
  60% 6,000 45,750,000  

発行済み株式数:10,000株

(イ)×1年3月31日のP社およびA社の貸借対照表

×1年3月31日のP社およびA社の貸借対照表

×1年3月31日における土地の時価は、7,000千円

(ウ)×2年3月31日のP社およびA社の損益計算書

×2年3月31日のP社およびA社の損益計算書

(エ)×2年3月31日のP社およびA社の貸借対照表

×2年3月31日のP社およびA社の貸借対照表

(オ)支配獲得時(×2年3月31日)の土地の時価評価額は10,000千円

部分時価評価法による連結仕訳(単位:千円)

(ア)×1年3月31日取得部分について

(借)

土地

150

(貸)

評価差額

150

計算式:(土地の時価-土地の帳簿価額)×持分比率=(7,000-6,000)×15%

(イ)投資と資本の相殺消去

(借)

資本金

7,500

(貸)

A社投資額

9,750

評価差額

150

利益剰余金

1,500

のれん

600

※:純資産の15%分

(ウ)少数株主持分振替

(借)

資本金

42,500

(貸)

少数株主持分

51,000

利益剰余金

8,500

※:純資産の85%分

(エ)×2年3月期当期純利益部分

(借)

利益剰余金

6,000

(貸)

少数株主持分

5,100

利益剰余金(新規連結)

900

(オ)×2年3月期追加取得時土地評価

(借)

土地

1,800*

(貸)

評価差額

1,800

*:(10,000-6,000)×45%=1,800

(カ)追加取得仕訳

(借)

少数株主持分

29,700

(貸)

A社投資額

36,000

評価差額

1,800

のれん

4,500

(キ)まとめ

(借)

資本金

50,000

(貸)

A社投資額

45,750

土地

1,950

少数株主持分

26,400

利益剰余金

16,000

利益剰余金(新規連結)

900

のれん

5,100

翌期首(連結基準適用初年度:×2年4月1日)における連結開始仕訳

(ア)土地評価差額計上

(借)

土地

1,950

(貸)

評価差額

1,950

(イ)時価評価方法変更に伴う土地に係る評価差額

(借)

土地

1,300

(貸)

評価差額

1,300

計算式:1,950×100%÷60%-1,950=1,300

全面時価評価法の適用初年度の期首において、部分時価評価法により計上されてきた評価差額を、全面時価評価法による評価差額の親会社持分額として引き継ぐこととなるため、変更により新たに計上すべき評価差額の少数株主持分額は、親会社持分額を基に、当該日における持分比率により算定することになります。

(ウ)資本連結に係る開始仕訳

(借)

資本金

50,000

(貸)

A社投資額

45,750

土地

3,250

少数株主持分

27,700

期首利益剰余金

16,000

期首利益剰余金

900

のれん

5,100

土地評価修正後のA社貸借対照表

*:土地=6,000+3,250=9,250

※:少数株主持分額=(資本金+評価差額+利益剰余金)×少数株主持分比率
=(50,000+3,250+16,000)×40%=27,700

なお、会計方針変更に伴う注記記載金額は、上記仕訳②の金額となります(連結実務指針設例11③)。

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