新日本監査法人 公認会計士 井澤依子
新日本ナレッジインスティテュート
新日本監査法人 公認会計士 若林恒行
会社法の公布および「役員賞与に関する会計基準」が公表されたことなどに伴い、2006年1月に企業会計基準委員会から企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」および実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」が公表(改正)されました。主な改正点は、用語の修正、未公開企業である子会社が発行するストック・オプションの取り扱い等です。
主な用語等の改正は下記のとおりです。
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従来、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定において、未公開子会社が発行するストック・オプションは、原則として反映させる必要はないとしていましたが、「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」では当該ストック・オプションを反映することとしています。
その際には自己株式方式が適用され、期首にワラントが行使され、この入金額を用いて期中平均株価で自己株式の買受を行うと仮定します。行使価格が子会社株式の期中平均株価を下回る場合、権利の行使を仮定し、親会社の持分比率の変動があったと見なして算定した連結上の当期純利益が減少するときは、当該ストック・オプションを連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に当たって考慮します。
なお、期中平均株価の算定に当たっては原則として、子会社株式の期中平均株価(市場価格がない場合、市場価格に準ずると認められる価格)を用いるとしていますが、簡便的にストック・オプションの価値を算定する際に算出した付与日(条件変更が行われ、見直した場合は条件変更日を含む)の子会社株式の価値や各期末において合理的と考えられる評価方法によって算出した子会社株式の価値をもとに、前期末(付与日の属する会計期間においては付与日)と当期末の平均値をもって期中平均株価とすることも認められるとしています。
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(以下、純資産会計基準)は、貸借対照表上、資産性または負債性を持つものを資産の部または負債の部に記載することとし、それらに該当しないものを資産と負債の差額として純資産の部に記載するとしています。この結果、新株予約権や少数株主持分等が純資産の部に区分した上で記載されることとなりますが、新株予約権および少数株主持分についてはこれまでと同様に、普通株主に関連しない金額として、純資産の部の合計額から控除した上で算定します。
また、純資産会計基準により純資産の部の評価差額・換算差額等に区分されることとなったその他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定などの項目は、従来と同様に、普通株式にかかる期末の純資産に含めて算定します。
一方で、純資産会計基準においてこれまで資産または負債とされてきた繰延ヘッジ損益が評価・換算差額に区分されることとなりました。これに伴い、普通株式に係る期末の純資産額に含めて1株当たり純資産額を算定することとしており、取り扱いが変更されている点に留意する必要があります。
純資産会計基準の公表により、貸借対照表上の純資産の部の合計額と1株当たり純資産額の算定に用いられる純資産額との間に、従来よりも差額が生じることになったため、1株当たり純資産額の開示についても、1株当たり純資産額の算定上の基礎を注記することが望ましいとされています。
- 会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準
第4回 過去の誤謬の訂正とその他の論点 (2010.07.29)
- 会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準
第3回 表示方法の変更と会計上の見積もりの変更 (2010.07.29)
- 会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準
第2回:会計方針の変更 (2010.07.28)
- 会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準
第1回:会計基準における主な論点 (2010.07.22)




