コラム


平成21年3月期有価証券報告書の実務ポイント(2009.03.26)

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損益計算書

1.四半期で有価証券評価損を計上した場合の年度の表示

(1)年度末でさらに時価が下落した場合

【前提条件①】

  • 取得原価1,000の有価証券の第1、第2、第3四半期および年度末の時価は、それぞれ、400、350、350、300である。

有価証券の時価

【評価損として計上する額】

  第1Q 第2Q
(累計)
第3Q
(累計)
年間

四半期切放し法の場合

600

600

600

600

四半期洗替え法の場合

600

650

650

700

四半期切放し法の場合

四半期切放し法は、減損処理を行った後の四半期末の帳簿価額を時価等に付け替えて取得原価を修正します。例えば、取得原価1,000の有価証券の時価が、第1四半期末に400に下落した場合には、取得原価は減損処理後の400に付け替えられます。その後、さらに時価が著しく下落する場合(例えば、200を下回る場合)に、追加で減損が生じます。

第2、第3四半期末および年度末の時価が、減損処理後の簿価(400)から著しく下落していないと認められる場合には、その後の四半期および年度末では追加の評価損を計上しないことから、年度における評価損計上額は第1四半期と同額(600)となります。この場合には、次のような損益計算書の記載が考えられます。

  第1四半期 第2四半期 第3四半期 連結会計年度
(3カ月) (累計) (3カ月) (累計)

<特別損失>

           

投資有価証券評価損

600

600

600

600

四半期洗替え法の場合

四半期洗替え法は、四半期会計期間末における減損処理に基づく評価損の額を翌四半期の期首に戻し入れることから、各四半期および年度末において、当初の取得原価1,000と時価を比較して評価損を計上します。従って、前提条件①の場合には、年度末の評価損の額は700となり、次のような損益計算書の記載が考えられます。

  第1四半期 第2四半期 第3四半期 連結会計年度
(3カ月) (累計) (3カ月) (累計)

<特別損失>

           

投資有価証券評価損

600

50

650

650

700

なお、四半期洗替え法の場合には、損益計算書の表示方法として、有価証券の評価損と戻入益を上記のように純額で表示する方法のほかに、総額で表示する方法が考えられます。

(2)時価が回復した場合

【前提条件②】

  • 取得原価1,000の有価証券の第1、第2、第3四半期および年度末の時価は、それぞれ、400、450、450、480である。

有価証券の時価

【評価損として計上する額】

  第1Q 第2Q
(累計)
第3Q
(累計)
年間

四半期切放し法の場合

600

600

600

600

四半期洗替え法の場合

600

550

550

520

四半期切放し法の場合

第2四半期以降で時価が回復している場合であっても、四半期切放し法を採用しているときには、取得原価が減損処理後の400に付け替えられることから、評価損を戻し入れることは認められず、その後の四半期および年度の評価損は、第1四半期と同額(600)となります。従って、損益計算書の表示は(1)①の場合と同じとなります。

四半期洗替え法の場合

前提条件②のように年度末で時価が若干回復している場合には、評価損は520となり、次のような損益計算書の表示が考えられます。

  第1四半期 第2四半期 第3四半期 連結会計年度
(3カ月) (累計) (3カ月) (累計)

<特別利益>

           

投資有価証券評価損戻入益※

 

50

 

<特別損失>

           

投資有価証券評価損

600

550

550

520

評価損のマイナスで表示することも考えられます。また、(1)②と同様に有価証券の評価損と戻入益を上記のように純額で表示する方法のほかに、総額で表示する方法が考えられます。

2.四半期切放し法と四半期洗替え法の変更

四半期切放し法と四半期洗替え法は、継続適用が求められており、会計方針と考えられることから、変更する場合には正当な理由および会計方針の変更の記載が必要です。

株主資本等変動計算書

1.株主資本等変動計算書の様式の変更

平成20年4月1日以後開始する事業年度から、XBRLが導入されたことに伴い、株主資本等変動計算書が、勘定科目を縦に記載する様式に変更されています。これは、様式の変更であることから、勘定科目の変更がない場合には表示方法の変更には該当しないと考えられます。

2.実務対応報告第18号の記載

実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」が、平成20年4月1日以後開始する連結会計年度から適用され、連結子会社の会計処理は原則として統一する必要があります。過年度の税引後損益として会計処理される額は、適用初年度の期首の利益剰余金に加減するとされていることから、連結株主資本等変動計算書では、前期末残高の次に欄を設け、例えば「実務対応報告第18号の適用に伴う影響額」等の科目を用いて記載する方法が考えられます。

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