コラム


平成21年3月期有価証券報告書の実務ポイント(2009.03.26)

新日本有限責任監査法人 パートナー 公認会計士 金子裕子
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財務諸表の記載

貸借対照表

1.財務諸表等規則等の改正

平成20年8月7日に、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」等(以下、財規等)の改正が行われており、棚卸資産の記載科目の変更が行われています。連結財務諸表では、棚卸資産を従来の1区分から3区分に分けて記載しますが、個別財務諸表では6区分から3区分への記載の簡略化が図られています。財規等の改正に伴い科目を変更する場合には、表示方法の変更に該当しますが、連結と個別では次のとおり異なる対応が考えられます。

財務諸表の種類 前期 当期 表示方法の変更の記載

連結財務諸表

1区分

①棚卸資産

3区分

①商品及び製品②仕掛品③原材料及び貯蔵品

記載が必要。

個別財務諸表

6区分

①商品②製品③半製品④原材料⑤仕掛品⑥貯蔵品

表示方法の変更であるが、通常は変更内容が明瞭に判断できることから記載不要と考えられる。

2.リース会計基準の適用

(1)借手

ファイナンス・リースの場合には、「リース資産」および「リース債務」が計上されます。リース資産は、原則として有形固定資産、無形固定資産の別に、一括してリース資産として表示することから、貸借対照表は次のような記載が考えられます。ただし、有形固定資産または無形固定資産に属する科目に含めて記載することもできます。

また、リース債務は、貸借対照表日後1年以内に支払期限が到来するか否かで流動負債または固定負債に区分します。

貸借対照表

(貸借対照表をクリックすると拡大版が表示されます)

(2)貸手

所有権移転ファイナンス・リースの場合に「リース債権」、所有権移転外ファイナンス・リースの場合に「リース投資資産」が計上されます。個別財務諸表では、「リース債権」と「リース投資資産」は独立の科目として計上しますが、連結財務諸表では、「リース債権及びリース投資資産」として記載されます。なお、流動・固定については、次のように区分されます。

流動資産・固定資産の区分

(補足)キャッシュ・フロー計算書の記載

所有権移転外ファイナンス・リースについて、通常の売買取引に準じた会計処理を行った場合のキャッシュ・フロー計算書の記載は次のとおりです。

  • リース債務の返済額は財務活動によるキャッシュ・フローの区分に含める

  • 支払利息は会社が採用した支払利息の表示区分に表示する

また、貸借対照表に計上されたリース資産の取得が、重要な非資金取引に該当する場合には注記が必要です。

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